「山笑う」
2013年4月16日
桜前線が北上し、東京ではすっかり桜シーズンが終わったようですが、
こちら八ヶ岳はこれからが桜のシーズン。
水をはった水田に映る山里の桜も綺麗。
とくに新緑の木々の山に散らばる山桜の淡いピンクが淡くはかなく、信州の春の訪れを告げます。
春の季語「山笑う」はまさにこの景色です。
春山淡冶而如笑
春山淡冶にして笑うが如く
夏山蒼翠而如滴
夏山蒼翠として滴るが如く
秋山明浄而如粧
秋山明浄にして粧うが如く
冬山惨淡而如眠
冬山惨淡として眠るが如し
漢詩集の「臥遊録」(北宋時代の画家郭煕・著)
「淡冶」を辞書で調べたら、「淡」は色がうすいを意味し、「冶」は「艶めかしい」を意味しているとのこと。
春の山はうっすら艶めかしいと作者は言っているようですが、
5月の信州・八ヶ岳の山々を見ていると、 まるで微笑んでいるようです。
辞書には「故郷やどちらを見ても山笑ふ」と正岡子規の俳句が付け加えられていました。